GA4を見るのが辛いあなたへ。生成AIとつないで「会話」するだけでアクセス解析をする方法

GA4を見るのが辛いあなたへ。生成AIとつないで会話するだけでアクセス解析をする方法。数値の意味がすぐにわかった。改善点がその場で見えた。レポート作成が一気に楽に。設定方法徹底解説。

「GA4の画面、改善案を出す前にそっと閉じていませんか?」

もしあなたがそう感じているなら、この記事はあなたのためのものです。
どこをクリックすれば見たいデータが見られるかわからない。本当に疲れますよね。

でも、もし

「先月の人気記事を教えて」
「直帰率が高いページの改善策を考えて」

とチャットで聞くだけで、生成AIがデータを調べて教えてくれるとしたらどうでしょう?

今回は、数字が苦手な方でも、生成AIを使えば、まるで優秀なアシスタントと会話するようにサイト分析をする方法をご紹介します。

井水
井水
こんにちは、企業のWebサイト作成や分析改善を手がける、株式会社エスファクトリー代表の井水です。
井水プロフィール

私は普段、企業のWebコンサルティングや解析のサポートを行っていますが、プロの現場でも「GA4の画面は複雑でとっつきにくい」という声を数多く耳にします。 

「もっと手軽に、主要な数字だけ把握したい」 そんなクライアントさんの切実な悩みに対して、今、私が最もおすすめしているのが生成AI「Claude(クロード)」を活用した方法です。

設定に少し手間がかかりますが、この記事の通りに一度設定してしまえば、もう数字の海で溺れることはありません。

また後半では、Adobe Acrobat AIアシスタントを用いたレポート添削の方法について紹介します。
実はAcrobat AIアシスタントを使うことで、レポートの構成をチェックしたり、効率的にブラッシュアップできたりするのです。

ちなみに今回の記事は、アドビさんの「みんなのAI活用」というPR企画に参加することになり執筆しました。
本企画は、各ビジネスエキスパートの方がご自身のAI活用のノウハウを共有し合う、とても魅力的なコンテンツが盛りだくさんです。

まずは設定

今回やることは、「Claudeという生成AI」に「あなたのGA4データを見る権限」を渡してあげる、という設定です。

これまでは、あなたが自分でデータを見て分析する必要がありました。
しかしこれからは、生成AIが代わりにデータを見て、あなたには「わかりやすい日本語」で報告してくれます。

これには「MCP(Model Context Protocol)」という新しい技術を使いますが、名前は覚えなくて大丈夫です。

井水
井水
MCPは「AIと外部ツールをつなぐための共通プラグ」のようなものだと思ってください。

それでは設定を進めていきましょう。

① Google Cloud のアカウント作成

Google Cloud(以下URL)にアクセスして、右上[無料で利用開始]をクリックします。
https://cloud.google.com/?hl=ja

[同意して続行]をクリックします。


最後に[無料で利用開始]をクリックすれば、アカウント作成が完了です。

② Google Cloud プロジェクトの作成

アカウントができたら、プロジェクトの作成に移ります。
以下のURLから左上の[MY First Project]をクリックします。
https://console.cloud.google.com/

次に画面右上の[新しいプロジェクト] をクリックします。

任意のプロジェクト名を入れて[作成]をクリックします。


すぐに画面が切り替わり、右上に[プロジェクトを選択]ボタンができるのでクリックします。

③ Google Analytics Date APIを有効化にする

左側のメニューから[APIとサービス > ライブラリ]を選択します。


検索で「google analytics data api」と調べて、3つ目のGoogle Analytics Data APIを選んでください。


[有効にする] をクリックします。


ダッシュボードに戻ったら、左メニュー[IAMと管理>サービスアカウント]を選択します。


最後に[サービスアカウントを作成]をクリックしましょう。

④ 秘密鍵の作成

[サービス アカウント名]を入れて、[作成して続行]をクリックします。


その後、[完了]をクリックします。


画面が変わったら、メールの[ga4-xxxxxxx@xxxxxxx.iam.gserviceaccount.com]をクリックします。


ページ上部タブを[鍵]に切り替え、下部の[キーを追加>新しい鍵を作成]を選択します。


JSONが選択されているのでそのまま[作成]をクリックします。


秘密鍵がパソコンに保存されましたと出ればOKです。
ダウンロードフォルダに自動で保存されています。


ダウンロードされたJSONファイルを開いて、以下Client_emailの後の””内(メールアドレス)をコピーしメモ帳などにメモしておきましょう
※⑧Claudeの設定の際に入力します。

⑤ GA4でアクセス権を付与

続いてはGA4の管理画面(分析したいサイトのプロパティ)を開きます。
[プロパティのアクセス管理]で[ユーザーを追加]を選んでください。


先ほどコピーしたメールアドレスを貼り付けて[標準の役割>アナリスト]にして[追加]をクリックします。

次に[プロパティ>プロパティの詳細]からプロパティID(9桁の数字)をコピーしメモ帳などにメモしておきましょう。
*⑧Claudeの設定の際に入力します。

⑥ Node.jsのインストール

https://nodejs.org/ja にアクセスしてください。


ご自身のOSを選んで、今回ならmacOSなので下部の[macOSインストーラー]をクリックします。


ダウンロードができたらインストールを進めてください。


インストールが完了したらOKです。

⑦ Claude Desktopのインストール

Claudeのアカウントを持っていない方は以下から作成してください。
https://claude.ai/login


Claude Desktopのインストールを行います。
以下にアクセスしてください。
https://claude.com/download

こちらもご自身のPCのOSを選んでダウンロードして、インストールを進めてください。

⑧ Claude の設定

Claude Desktopを開いたら画面左下の[設定>開発者>設定を編集]をクリックします。


Finder(フォルダ)が表示されますので、[claude_desktop_config.json]というファイルをエディター(メモ帳などのテキスト編集ソフト)で開いてください。

8-1. ファイルの中身を以下を全てコピーして貼り付けてください。


{
"mcpServers": {
"google-analytics": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "mcp-server-google-analytics"],
"env": {
"GOOGLE_CLIENT_EMAIL": "差し替え箇所1",
"GOOGLE_PRIVATE_KEY": "差し替え箇所2",
"GA_PROPERTY_ID": "差し替え箇所3"
}
}
}
}

8-2.  差し替え箇所を以下に差し替えてください。

■“差し替え箇所1“
④秘密鍵の作成でできたJSONファイル内のclient_emailの内容に差し替えます。
例)“ga4xxxxxx@ga4-claude-00000.iam.gserviceaccount.com

■“差し替え箇所2“

④秘密鍵の作成でできたJSONファイル内のprivate_keyに差し替えます。
例)”—–BEGIN PRIVATE KEY—–\nMIIEv・・・中略・・・—–END PRIVATE KEY—–\n”


■“差し替え箇所3“

Googleの管理画面でコピーしたプロパティID(9桁の数字)に差し替えます。
例)”262000014″

貼り付けが完了したら保存をしてください。
その後、一度Claude Desktopを閉じて起動し直すと設定完了です。

実践:もう数字とは戦わない!こうやって話しかけよう

さあ、ここからは楽しい時間の始まりです。
実際に生成AIとチャットをするとどのような回答が得られるのか見ていきましょう。

① ざっくり状況を知りたいとき

「先月、私のブログで一番読まれた記事トップ3を教えて。それぞれの記事がなぜ人気だったのか、流入元から推測できる?」と入れてみましょう。

井水
井水
もちろん、GA4のデータをアップロードしたりしていません。ただチャット欄に知りたいことを入れるだけです。

すると数秒待てば以下の返答が得られます。

人気記事だけでなく、各検索エンジンからのセッション数やその割合まで出してくれました。
またなぜ人気なのか?その考察も瞬時に出てきています。

井水
井水
出てきた結果に納得ができなければ、さらに質問を重ねてみると良いでしょう。

② 改善点を知りたいとき

「直帰率が高いページはある? 初心者の私でもできそうな改善アドバイスも一緒にちょうだい」と入れてみましょう。

次は以下の回答が得られました。
井水
井水
今回も特にどのレポートを見るかなどは指定していません。

上記のように改善策が3つ出てきてくれました。これが数ページ分瞬時に作成されます。

井水
井水
返答をずっとみていくと、最後に各ページに共通する施策として、まとめを表示してくれます。

③ 曜日ごとの傾向を知りたいとき

「私のサイト、何曜日の何時くらいに見に来る人が多い? 記事を投稿するベストなタイミングを知りたい」と入れてください。

井水
井水
これはGA4の標準レポートにはない項目です。これをGA4で見ようとすると探索レポートやカスタムディメンションでの設定が必要になりますが、生成AIを使うと一瞬です。

これまでなら、GA4の管理画面を行ったり来たりして、探索レポートの設定に悩み、やっとの思いで数字を出していた作業が、たった一言のチャットで完結してしまいました。

ここで重要なのは、生成AIが単に「数字」を出してくれるだけでなく、「なぜ人気なのか?」「どう改善すべきか?」という「考察」までセットで返してくれる点です。
これはもはや、単なるツールというより「優秀なデータアナリスト」が隣に座ってくれている感覚に近いですよね。

井水
井水
「こんなこと聞いても答えられるかな?」と躊躇せず、気になったことはどんどん質問してみてください。 AIとの対話の中にこそ、あなたのサイトを成長させる意外なヒントが隠れているはずです。

分析の次は「伝える」こと。資料作成もAIに頼りましょう。

ここまで、難解な数字の分析はClaudeという生成AIの相棒に任せられるようになりました 。
しかし、私たちの仕事は「数字を見て終わり」ではありません。

クライアントへの報告や、チームへ「わかりやすく伝える」資料をつくるところまでが仕事です 。

実は、今回ご紹介したこの「ClaudeとGA4の接続マニュアル」も、配布用のPDF資料としてまとめているのですが、その構成チェックやブラッシュアップには、もう一人のAI相棒を使っているのです

それが、アドビのAcrobat AIアシスタントです。


「数字の分析」はClaudeが得意ですが、「ドキュメントの品質を高める」ことに関しては、やはりPDFの本家であるアドビのAIが非常に有効です。
単なる誤字脱字のチェックだけでなく、以下のような「頼れる強み」があるからです。

井水
井水
例えば、月次レポートを3ヶ月分読み込ませて、「毎月のレポートに共通する課題をあげて。」と質問してみましょう。


このように複数のファイルでも横断的に分析してくれます。

続けて「具体的な改善策を複数案出して。 その際に改善インパクトと難易度を考慮して優先順位をつけて。」と入力すると、ただ資料を分析するだけではなくそこからの改善点まで洗い出してくれます。


もちろん、誤字脱字のチェックだけではなく、より伝わりやすい言い回しに変える提案もお手のものです。


これまで何時間もかけていた作業をAIアシスタントという協力なパートナーを得ることで圧倒的に効率化ができます。

他にも、以下のような特徴があります。

  • 即座に要約&チャットで相談
    ドキュメントを開くと自動で内容を要約してくれるので、長い資料でも全体像をすぐに把握できます 。また、「この部分をクライアント向けにもっとわかりやすく表現して」といった相談もチャット形式で可能です 。

  • 情報の正確性を担保(リンク機能)
    AIの回答には必ず「情報の引用元」へのリンクが付きます 。クリック一つで元データに飛べるため、AIが適当なことを言っていないか(ハルシネーション)を即座に確認でき、業務での信頼性がグッと高まります 。

  • ファイルごとの履歴管理
    チャットの履歴はPDFファイルごとに保存されます 。プロジェクトが混在することなく、「前回どこまで詰めたっけ?」という時も、すぐに作業を再開できるのが地味ながら非常に便利です 。
井水
井水
データを扱う仕事をしているとセキュリティの懸念から生成AIにデータをアップロードすること自体がNGの場合もあります。でもアドビは、PDFの内容も、Acrobat AIアシスタントに入力したプロンプトや回答もAIのトレーニングには一切使用せず、データを見ることもないと表明しています。なのでセキュリティ面でも安心して使えます。

最終工程で人の目によるチェックとAIの客観的な視点を組み合わせることで、資料のクオリティをスピーディかつ確実に高めることができます 。

AIアシスタントはAcrobatのアプリや以下のオンラインツールからも無料で試せます。ぜひいちど体験してみてください。
Acrobat オンラインツール PDFとチャットを試してみる

より詳しい機能については、以下の詳細ページもご覧ください。
Acrobat AIアシスタントの詳しい機能をみる

皆さんが頑張って作った提案レポートやプレゼン資料を気持ちよく見てもらえるようにぜひ役立ててください。そして今回の記事が多くの方の分析やWebサイト改善の手助けになれば幸いです。

井水でした。

[新人Web担当でも使える]Webサイト改善の指南書(書影)

関連書籍【12/23発売】弊社代表の書籍がマイナビ出版より出ます

[新人Web担当でも使える]Webサイト改善の指南書

300社以上のWebサイト改善に携わってきた著者が、コンバージョンにつながる改善の考え方やデータ活用、生成AIを活かした業務効率化、改善を続けるための仕組みまで、実務で使えるノウハウを一冊にまとめました。  

この記事をシェア

X Line pocket

アクセスランキング

  • 1

    11月2日の炎上で起きた4社の事例

    2020年11月2日アツギ社を発端にタイツ業界で起きた4社のX炎上事例

    井水 朋子

  • 2

    こんなスライド資料はNG!残念な資料を伝わる資料に変えるための11のポイント【実例付き】

    井水 大輔

  • 3

    GA4を見るのが辛いあなたへ。生成AIとつないで会話するだけでアクセス解析をする方法。数値の意味がすぐにわかった。改善点がその場で見えた。レポート作成が一気に楽に。設定方法徹底解説。

    GA4を見るのが辛いあなたへ。生成AIとつないで「会話」するだけでアクセス解析をする方法

    井水 大輔

  • 4

    Googleマップ情報が書き換わる原因と対処法

    Googleマップの情報が書き換わる原因と対処法

    井水 朋子

  • 5

    GA4分析者のための主要イベントを解説

    GA4のイベントとは?主要イベント9個を初心者向けに解説

    井水 朋子

  • 6

    SNS運用のKPI設定完全ガイド

    SNS運用のKPI設定完全ガイド【2025年版】

    井水 朋子

  • 7

    CVRとは

    CVRとは?意味や計算方法、CVR最適化のポイントを詳しく解説

    井水 朋子

  • 8

    GA4のカスタムイベント スクロール率の計測のしかた

    【GA4のカスタム設定】20%刻みでスクロール率を計測する

    井水 朋子

  • 9

    ファネル分析を行う手法~Googleアナリティクスを活用してCVR最適化~

    ファネル分析をGoogleアナリティクスで行いCVRを改善する方法

    井水 朋子

  • 10

    一度見たら忘れないSUCCESsの法則

    一度見たら忘れられないSUCCESsの法則

    井水 朋子

お客様をもっと笑顔にしませんか?

即日~翌営業日にお返事

サイトやコンテンツの制作・改善・解析に関するお問い合わせ、
執筆や講演に関するご依頼はお問い合わせフォームをご利用ください。

お問い合わせ

Download

会社案内・ホワイトペーパー

保存・印刷・閲覧などに利用しやすいPDF形式の
資料をダウンロードしてご利用ください。

ダウンロード一覧