目標を適切に決める手法～SMARTとは～

ビジネスで成果を上げる際、目標設定が肝となるのはご存じの通りかと思います。
しかし、目標を設定するだけでは十分ではありません。
本記事では、目標やKPIを設定する際にとても便利な手法のSMARTについて紹介します。

目標設定の代表的な手法～SMARTとは～

SMARTとは、目標設定においてよく使われる手法のひとつで、5つの項目を基準に目標設定します。

一般的には具体的(Specific)、測定可能(Measurable)、実現可能(Achievable)、関連性(Relevant)、期限付き(Time-bounded)の頭文字をとってSMARTと呼ばれています。

SMARTは、1981年のジョージ・T・ドランが論文で目標設定の重要性と難しさを論じたのがルーツです。

 

 

Specific（具体的）

目標は、具体的かつ明確なものにしましょう。もしも目標が明確で具体的でない場合、チームで同じ山を目指して登っているはずが、それぞれ違う方向を目指してしまったケースがあります。

悪い例：
ウェブサイト経由の注文を▲億円

良い例：
ウェブサイト経由で新規顧客の売上を年間●億円

解説：
経営陣は新規顧客開拓を増やしたくて予算を組んだはずなのに、売上が明確でなかったばかりに、現場では既存客からの注文で目標売上を積み上げてしまったケースがありました。経営陣と現場で立てたはずの目標が具体的でなかったことが原因で起きたケースです。経営陣と現場が具体的な目標を共有することで、現場が必要としているヒトモノカネも経営陣が把握できます。

Mとは Measurable（測定可能）

目標は、測定可能なものである必要があります。
達成度合いを定量的に評価できるようにすることで、改善のための具体的な施策を講じることができます。

悪い例：
会社のブランドイメージを刷新したい。

良い例：
定例のブランドイメージ調査で、「新しいことをしてくれそう」を＊＊ポイント獲得する。

解説：
ブランドイメージのように定性的なものを目標として扱う場合は、あいまいになってしまうので、注意が必要です。
定点調査の結果をKPIにするといった方法で、測定可能にすれば、より具体的な目標となり、チームが一丸となって目標に立ち向かっていけます。

Aとは Achievable（実現可能）

目標は、現実的なものである必要があります。
過去の経験や市場動向などを考慮して、達成可能性を判断するとよいでしょう。

悪い例：
先月フォロワー獲得が1000人だったのが、今月は1ヶ月でフォロワー1万人獲得

良い例：
先月フォロワー獲得が1000人だったので、今月はフォロワー獲得1100人獲得

 

Rとは Relevant（関連性）

目標は、経営課題や経営ビジョンに沿ったものである必要があります。
組織の方向性にそぐわない目標は、意味のないものとなってしまいます。

悪い例：
ウェブサイトのPVをとにかく増やすコンテンツを作る。

良い例：
潜在顧客が興味関心を持っている「＊＊＊」というコンテンツを作り、PVを5000件増やす。

Tとは Time-bound（期限付き）

目標は、期限を設けることが必要です。
もし期限がなければ、モチベーションが下がり、目標達成が遠のいてしまいます。

悪い例：

月間アクセス数を10000件にする。

良い例：
2023年12月時点で平均月間アクセス数を10000件にする。

 

目標設定を怠ってしまった悲劇について考えてみよう

 

SMARTな目標設定を考えると、適切な目標設定は「ウエストサイズを半年後までに3cm減らすこと」ですね。

 

もしも、ダイエットするとき、体重を落とすことに専念してしまったら？

体重は落ちてもウエストのサイズが変わらず、結果としてワンサイズ大きなウェディングドレスを着ることになってしまうかもしれません。

筋肉がムキムキついて身体がシマったとしても、ウェディングドレスを着られないんです（涙）

 

 

ウェディングドレスはわかりやすい例ですが、実はビジネスのシーンでも似たようなことは起きがちですよね。

（例）ウェブサイト経由の売り上げを増やすことが目標だったのに、サイトのアクセス数ばかりが増え、売り上げが増えなかった。

（例）企業の利益率を上げることが目標だけど、売り上げばかりが増え、利益が減ってしまった。

は実際に私が受けた相談の中でもあるあるです。

 

 

その他の目標設定手法

目標設定手法の中でも代表的なSMARTについて紹介しました。目標でマネジメントするという会社の文化になじみやすい考え方ではないでしょうか。

しかしながら、SMARTは万能ではありません。SMARTでは不便だなと思った方はこちらも合わせてご覧ください。

 

• 目標設定手法「SMART」が適用できない場合の目標設定
• 環境変化に機敏に対応できる「CLEAR」な目標設定手法（2023年5月公開予定）
• メンバーがタスクを終えやすい目標設定手法「CPQQRT」（2023年5月公開予定）
• 命運をかけた大胆な目標で組織を動かす「BHAG」（2023年5月公開予定）

 

 

 

 

 

 

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